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その名のとおり3600秒(一時間)以内にSSを書くという企画です。
お題は『師弟』『嫉妬』『六軒島』
なかなか難しかったですね。
でもこういうのも面白いです!



魔女の師弟

 六軒島の薔薇庭園。そこには一年中美しい薔薇が咲き乱れ、常にヒトの手により美しく手入れがされていた。しかし、今の六軒島にヒトの姿はない。今、この島には二人の魔女の姿しかなかった。普段は右代宮の人間に支配されているこの島も、この瞬間は二人の魔法により外界と隔絶されていた。
 薔薇庭園の一角、そこにベアトとワルギリアの姿あった。2人は優雅に椅子に腰かけながらティータイムを楽しんでいた。
「わはははは!! 今回の戦人の奴には笑わせてもらったわ!! 見たかよお師匠! あいつの顔!! 完璧にだまされていたぜ!? ははははは!!」
「……ベアト、笑いすぎですよ。今回は少し悪戯がすぎます。あれでは次回のゲーム盤で戦人君が戦う気力を失いますよ?」
「いいんだよ! あ奴は良くも悪くも諦めが悪いからな!! これくらいでへこたれるわけがない!」
「しかし……」
「心配性だなあ、お師匠様は!」
「全く、あなたは昔から加減と言うものを知らないのだから。そんなだから、今回のゲーム盤では途中で戦人君から殴られるのですよ?」
 その言葉を聞き、ベアトの顔が歪んだ。
「…………あん?」
「……な、何ですか?」
「聞き捨てならねえな、今の言葉は……。北風と太陽作戦を考えたのはお師匠様だろうが? その作戦を護るため、妾は戦人に殴られてのだぞ?」
「……そ、それは」
「妾はお師匠様の言いつけをちゃんと守ったぞ? なのに、何でそのことをお師匠に咎められなきゃならんのだ?」
「………………」
「それとも何か? お師匠は妾に嫉妬しているのか?」
「…………何ですって?」
「そういえばお師匠様、ゲーム盤ではずいぶんと戦人と仲が良かったなあ? アドバイスしたり、一緒に闘ったり」
「……それはゲームの進行上仕方なく」
「一緒に戦っている内に情が移ったか? 最初はただの駒として見てなかったのによお? ええおい?」
「…………ベアト、いい加減にしなと怒りますよ?」
「この際だからはっきり言っておく」
「………………?」


「戦人は妾の玩具だ。誰にも渡さぬ、誰にも譲らぬ、誰にも貸さぬ。あ奴は妾のものだ。妙な勘違いすんじゃねえぞ、お師匠様ぁああああ!!!!?」


「………………言いたいことはそれだけですか?」
「お? 珍しく怒っているじゃねえか? 図星だったか? くくくく、いい年こいて何考えてんだ? 止めとけ止めとけ、どうせ相手にされねえよ。くっくっく」
「…………ベアトリーチェ、ゲーム盤の中だけではお仕置きが足りなったようですね?」
「ほざけ、勝ったのは妾の方だろうが。まあ別に妾はかまわんが? もう一度ハリネズミになりたかったらいくらでも相手になるぜ? えぇ? お師匠様ぁあああああ!!!!!」



「…………………………」
「……………………………」



「…………嘘だよ。そんなマジになるなよ、お師匠様。久しぶりだからちょっとからかいたかっただけさ…………」
「……………………」
「……………そんな熱くなんなって。妾もちょっと言い過ぎた……。しばらく頭冷やしてくるからよ」
 そう言い、ベアトは黄金の蝶になって消えた。
 すこしの間ベアトの消えた跡を眺めていたワルギリアだったが、やがて息をつく。
「…………ふう、あの子相手に本気になるなんて、私も修行が足りませんね」
 別に戦人のことが気になったわけではない。ただ、ベアトのあまりに礼を欠く発言にお灸を据えようと思っただけだった。



 ―――――でも、本当はひょっとしたら?―――――



 そんな事を考え、ワルギリアは首を横に振る。
「ふふ、いけませんね。こんなことを考えては。私も頭を冷やしましょう」
 そしてワルギリアは黄金の飛沫となって姿を消した。2人の魔女がいなくなった薔薇庭園にはただ一匹、金色の蝶がひらひらと宙を舞っていた。



2010.02.28 Sun l うみねこ l コメント (0) トラックバック (0) l top

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