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山羊達の影が森の木々よりも空を遮る。咆哮が世界を恐怖で塗り潰す。
 楼座は真里亜を抱きしめたまま、片手で銃を構える。
「真里亜、一緒に行こう。ずっと一緒よ。…ママが迷わないように、ずっと一緒に…!」
「うん…!!すぐに会えるよ。ずっと一緒だよ…。黄金郷で会えるよ…!!そうしたら一緒に遊ぶの!“狼と羊のパズル”で遊ぶの!!ママはまだ一問しか解いてないけど、真里亜は全部解いちゃったんだよ。だから真里亜が出題してあげる!!」
 バースデープレゼントに買ってあげて、……その夜しか遊んであげなくて。
「うんッ、遊ぼうね、一緒に!!!約束するッ!!!」
「ママぁああああああああ!!」
 灼熱の溶岩と同じ輝きを持った目がまるで蛍の群れのよう。
 舞いて迫りて、襲い来る。
「うおおおおおおおお来いよォオオオオオ!!真里亜が込めてくれた銃弾を喰らいたいヤツから前へ出ろよォオオオオオ、うおおおおおおおおオオオォオオオオッ!!!」










うみねこのく頃に

Another episode
『Turn of the golden witch』



 撃つ!撃つ!撃つ!
 次から次へと、蛾のように群がってくる山羊の群れに向かって、私は銃を撃ち続けた。
 愛する娘を護るため、片手に真里亜を抱きながら、私は黒い群れに鉛玉を打ち込む。それは正確に頭や胸を打ち抜き、山羊達は一撃で地面に倒れ込む。
「うおおおおおおおおオオオォオオオオッ!!!」
 次々と、黒い残骸が山を成していった。やがてその残骸は形を崩し、黄金の蝶へと変わっていく。そして私の周りは黄金の蝶で埋め尽くされた。
 それはとても幻想的な光景。まるで子どもの頃に読んだおとぎ話のよう。だが、これはそんな優しいものではない。一つ一つが悪意をもって、私と真里亜の命を脅かす。私は黄金の光に包まれながらも、真里亜を護るため山羊頭に銃を撃ち続けた。
 だが、所詮は時間の問題。足が折れ、その場から動くことができない私は次第に周囲を囲まれていった。
 そして、何度目かの弾切れの際、飛びかかってきた山羊頭に私は取り押さえられた。
「ママぁあああああああああ!!!」
 真里亜の悲痛な叫びが木霊した。
 山羊頭はその頑強な腕で真里亜を羽交い絞めにする。腕に少し力を入れるだけで真里亜の小さな体は軋み、その度に苦しそうに呻く。
「真里亜あああぁぁああああああああ!!!」
 私は必死で娘の元へ駆け寄ろうとした。だが、地面に組み伏せられた私は、その場から一歩も動くことはできない。それでも真里亜の元へ駆け寄ろうともがくが、山羊頭は一層上から押さえつけ、私は顔を地面に押し付けられる。
「ううううぅぅぅ…!」
 どうすることもできず、私はその場で呻くしかなかった。
 やがて、一匹の山羊頭が近づいてきた。そいつが私の目の前に立ち右手を掲げると、その手には青く光る刃が現れる。
 殺される…。せめて真里亜だけでも!
 そう思い、私を押さえつける腕を全力で払おうとするが、無駄な足掻きだった。
 山羊頭は刃を大きく振り上げる。それは私の首を刎ねる断頭台。やがてそれは頂点まで達し、私の首めがけて振り下ろされた。
「―――――ッ!!」
 私は死を覚悟する。しかし―――――。

「待て」

 女の声が響く。
 その瞬間、山羊頭の腕が止まった。刃は私の首を、薄皮一枚切ったところで止まっていた。
 私は地面に組み伏せられたまま、顔だけ声の方へと向ける。
 その場所に立っていた人物、それは―――――。
「……ベアトリーチェ」
 そこには豪奢なドレスを身にまとった、魔女の姿があった。
「くっくっく、驚いたぞ。下級とはいえ、妾の家具を相手にそこまで渡り合えるとは」
 魔女はゆっくりと近づき、私を見下ろす。
「くッ……」
 私は山羊頭ではなく、この魔女が止めを刺しに来たと思い、身を固める。
 しかし魔女は山羊頭に私から離れるよう顎で促す。私を組み伏せていた山羊頭は手を離し、後ろに下がった。
 私はすぐさま起き上がり、魔女と距離をとる。
「………」
 何故私を?真意が掴めない私は、無言のまま魔女を睨む。
「そう睨むな、せっかく助けてやったのだ」
 魔女は薄く笑い、私に話しかけた。だが、そんな言葉を鵜呑みにするほど馬鹿ではない。私たちはしばらくの間、無言で睨み合った。その時―――。
「ママぁああーーーーー!!」
 山羊頭から解放された真里亜が駆け寄ってきた。
「真里亜!!」
 私は胸に飛び込んできた娘を、力一杯抱きしめる。
「真里亜…。無事で良かった」
「うー、ママ痛い」
 力強く抱きすぎて、真里亜は身をよじるが私は娘を離さなかった。もう二度と、この子を離すものか。
 しかし、束の間の幸せを魔女の声が打ち消した。
「感動の再開か。美しいまでの親子愛だな、楼座」
 魔女は気味の悪い笑顔を浮かべ、私たちを眺めていた。その顔には再開を祝福するような気持ちは微塵も感じられない。私たちの再会を茶番だと言いたげに、見下しているようだった。
「うー、ベアトリーチェ……」
 真里亜は魔女に顔を向ける。しかし、そこには以前のように無条件で魔女を喜ぶような笑顔は見られなかった。
 真里亜も分かっているのだ。さっきまで私たちを殺そうと追い回していた化け物が、魔女の下僕だということを。
「何のつもり。何故私たちを助けたの?」
 先ほどからずっと思っていた疑問を、私は魔女にぶつける。
「何、大した意味はない。少しゲームをしようと思ってな」
 私の疑問に、魔女は軽く答えた。
「人の身で、妾の家具相手に互角に戦える者はそうはいない。このまま今宵の宴の供物に捧げるには惜しいと思ってな。特別にそなたにチャンスをやろう」
「チャンスですって…?」
「うむ。今からそなたには、妾の家具と戦ってもらう。そやつと戦い、倒すことができたら、そなたと真里亜は助けてやってもよい。ただし、今まで相手にしていた下級家具のようにはいかぬ。覚悟しておいたほうがいいぞ」
 黄金の魔女からの思慮外の提案。絶望的なこの状況から助かる方法を、魔女の方から与えられるとは思わなかった。
 だが信じて良いのだろうか。人の命を玩具としか思わない魔女が、私たちを助けると…?
「…倒すというのは具体的にどういうこと?」
 魔女の言葉を信用できない私は、ゲームの勝利条件を確認する。
「相手を殺す。動けなくする。要するに、戦闘不能状態に追い込めば勝ちだ。倒すと言っても、地面に倒れるということではない。そなたが地を這おうが、転がされようが負けることはないから安心せよ」
「ゲームを行う上でのルールは?」
「ない。手段は問わん。どんな方法でも良いから、相手を倒せば勝ちとする」
 つまり、これは妙な言葉遊びを抜きに、相手を倒せば勝ちということだ。
 願ってもない。私は勝利を掴むためなら、真里亜を助けるためなら、手段は選ばない。どんな卑劣な手を使おうと、確実に相手の息の根を止めてやる。
「約束は守ってくれるんでしょうね?」
 念のため、私はもう一度確認する。
「くっくっく、疑り深いな。安心せよ、魔女は残酷だが契約は必ず守る。そなたとの約束は反故にはせぬ。誠意の証として、そなたの折れた左足を治してやろう」
 そう言うと、魔女は右手に持った煙管の先を軽く振った。すると煙管の先から数匹の黄金の蝶が現れる。美しく輝く蝶はひらひらと舞い、やがて私の左足首に集まってくる。
 私は一瞬身を固めたが、蝶たちが黄金の光を放つと、赤黒く腫れ上がっていた足首からは見る間に腫れが引いていった。
「うそ……」
 やがて蝶は小さな光をその場に残すと、跡形もなく消えてしまった。
 足元に目をやると、不自然に曲がっていた足首は元に戻り、腫れは完全に引いていた。絶え間なく襲っていた激痛も今はなくなり、折れた足首は一瞬にして治っていた。
 目の前で起きたことに唖然とする私を横目に、魔女は可笑しそうに笑っていた。
「くっくっく、今更驚くこともあるまい。妾は魔女だぞ。この程度のこと造作もない。その気になれば死者を蘇らせることもできる」
「…ずいぶん気前がいいじゃない。わざわざ足を治してくれるなんて」
「言ったであろう、これはゲームだ。勝ちの決まったゲームでは余興にもならぬ」
 命を賭けた戦いも、魔女にとってはただの遊びか。
 上等だ。このゲーム、絶対に勝ってやる!
「これでそちらの準備は整ったな。それではこちらも対戦相手を呼ぶとしよう」
 魔女は再び煙管を振った。煙管の先からは、先ほどより多くの蝶が現れ宙を漂う。初めはバラバラに飛んでいた蝶たちだが、しばらくすると一箇所に集まり始めた。
 それは不規則に形を変えながらも、徐々に人の形に近づいていく。蝶たちが集まると、一匹ずつの境界は曖昧になり、やがてそれは一つの光の集まりとなった。そして、それが完全な人の形を成すと、蝶は光を放ち跡形もなく夜の闇に消えていった。
 光輝く蝶が消えた後には、人影がひとつ残っていた。黒のスーツを身にまとい、顔は人間のそれではなく、黒い山羊を呈していた。
 それは、先ほどまで私が相手をしていた山羊頭と同じ。少し違うのは、今までの相手より少し小柄というところか。今まで相手していた山羊頭は、2メートルを楽に越える大男だったが、目の前にいるのはそれほどではない。
「こやつがそなたの対戦相手だ。先ほどの家具より小さいからと言って、油断はしないことだ。能力は比べ物にならんぞ」
 そうだ。相手は魔女の下僕。見た目の大きさなど、強さを判断する材料にはなり得ない。
「真里亜、下がっていなさい」
「うー、下がる」
 真里亜は私から離れ、後ろの木に身を隠す。私は真里亜が下がったのを確認すると、山羊頭に目を合わせた。
 山羊頭は初めから私の方しか向いておらず、目線すら外さない。じっと私を見ているその目は動物のそれと同じく、何の感情も読み取れない。
 何を考えているか分からないその視線からは、恐怖ではなく不気味さしか感じられなかった。
「ではそろそろゲームを始めようか。楼座、準備は良いか?」
 魔女はゲーム開始の確認をする。
「ええ、山羊の頭をぶち抜く準備はできているわ」
「くっくっく、威勢がいいな。だが、そうでなければ面白くない。その威勢がいつまで続くか―――――」

 ドン!

 魔女が言い終える前に、私はウィンチェスターの引き金を引いた。
 これはルール無用の殺し合いだ。相手を倒せばそれで良し。ならば馬鹿正直にゲームの開始を待つ必要はないし、もとより開始の合図など決めてはいない。
 先手必勝。私は相手の虚を突き先制を喰らわす。だが……。
 私が引き金を引いた瞬間、山羊頭は信じがたい速度で横に跳んで弾をかわし、そのまま私に突っ込んできた。そして、その右手には青い刃が光っている。
「―――――!!!」
 一瞬で間合いを詰められた私は、咄嗟に銃を盾のように構えた。間一髪、私は銃で刃を防いだが、山羊頭は強引に腕を払い、私はそのまま後ろに倒される。
「かはッ!!」
 私は背中を地面に強く打ちつけた。衝撃で息が詰まる。
 その様子を見ていた魔女が、私に声を掛けた。
「良い判断だ、楼座。相手の手の内が分からぬ以上、後手に回れば不利。先を制し、初撃を喰らわせる。だが少々相手が悪かったな。言ったであろう。先ほどの家具とは比べ物にならぬと」
 魔女の言う通りだった。
 こいつは今までの奴らとは、動きがまるで違う。銃弾をかわす瞬発力も、一瞬で間合いを詰める脚力も人間業ではない。
 私の虚を突いた先制攻撃も、何ら問題にしていない。正面から戦ったところで勝ち目はない。
「…化け物めッ!!」
 ようやく私は体を起こすと、山羊頭と距離をとる。
 その気になれば、私が倒れている間に止めを刺すこともできただろう。そうしないということは、敵は遊んでいる。
 獲物がすぐに死んではゲームにならない。殺ろうと思えばいつでも殺れるから。だから存分に楽しもう。そういうわけか。
 勝てば見逃すと口では言っているが、勝たせる気など毛頭ない。自分の家具が負けるなどとは微塵も思っていないだろう。しかし、その驕りがあるからこそ、私の勝機が見えてくる。
 相手はすぐには私を殺さない。今のうちに作戦を立てなければ。
「真里亜、逃げるわよ!!」
 私は木陰に隠れていた真里亜の手をとり、その場から駆け出した。
 
 真里亜と楼座は夜の森へと消えていく。その様子を見て、黄金の魔女は呟いた。
「いいぞ、獲物が逃げなければ狩りは成り立たぬ。そのために、わざわざ足を治してやったのだからな。果たしてどこまで逃げ切れるかな。魔女の生贄として妾をもっと楽しませよ。くっくっく」
 魔女は歪んだ笑みを浮かべたまま、夜の闇へと消えていく。








夜の森を私は駆け抜ける。月明かりも満足に届かぬ暗闇にも関わらず、私の足は確かに大地を踏みしめていた。
 体が軽い、まるで羽のようだ。当然だ。もう私の体に重石はないのだから。
 私の左手に黄金のインゴッドはない。そんな物はもう必要ない。
 私の未来そのもの。私の左手には真里亜のちいさな手が握られている。
 小さく、か細い手。だが私にとっては世界の全て。
 娘のためなら、私は何だってやってやる。例え相手が怪物だろうと、魔女であろうと、どんな敵だろうと戦える。

「確かこの辺りに…」
 私は走りながら、周囲に目を向ける。夜の暗闇の中、目を凝らし目的のものを探す。私の記憶が確かならこの辺りに…。
 その時、探していたものが目に写った。やはりここで間違いなかった。
 それは木。森の小道の脇に立っている一本の大木だった。
 子供の頃は森の中で、よくこの木に登って遊んだものだ。人が登るのにちょうど良い様に枝が生えており、しかも枝葉の関係で下から見上げても、ほとんど見えないようになっている。ここに隠れて、私を探し回っている使用人たちを困らせていたものだ。
 ここならば絶好の狙撃ポイントだ。先ほどはかわされたが、ここなら姿を見られることもない。いくら速く動けても、攻撃が見えなければかわしようがない。
「真里亜、足元に気を付けるのよ」
「うー、気を付ける」
 真里亜を安全な場所に登らせると、私は狙撃しやすい枝に移る。
 この道は一本道だ。私の後を追ってくるなら、必ずこの場所を通るはず。私はじっと、敵が来るのを待ち受ける。
 ……………。
 来た。予想通り、真っ直ぐこちらに向かって歩いて来る。こっちに気付いた様子はない。正面を向いたまま、ゆっくり近づいてくる。
 私は銃を構えた。
 もう少し、敵が近づくのを待つ。焦ってはいけない。ここで外してはさっきの二の舞だ。私の腕でも、確実に当てられる距離まで近づける。
 …まだ遠い。…あと10メートル。…5メートル。私は引き金を掛けた指に力を込める。
 そして、確実に仕留められる距離に山羊頭が入った瞬間、私は引き金を引いた―――――はずだった。
 突如、足元がぐらついた。
 木が揺れた?
 そう思ったが、次の瞬間それが間違いだったことに気付く。木が倒れ始めたのだ。
 私が銃を撃つ直前、あの山羊頭は一瞬腕を振った。何か分からなかったが、あれはこの木を切り倒したのだ。これほどの大木を、一振りで切り倒すなんて……。
 いや、それ以前にどうやって私に気付いたのだ。山羊頭は私の方など向いていなかった。まさか、気配だけで私の存在に気付いたというのか。
 根元から切られ、バランスを失った木は音を立てて倒れていく。
「真里亜!」
 私は真里亜を探すが、その姿を確認するより先に、木は激しい衝撃と共に地面に倒れた。
 私は木にしがみついていたが、倒れた衝撃でそのまま地面に放り出された。地面に全身を強く打ち、息が止まる。
「うぐッ……」
 痛みですぐには動けなかったが、真里亜のことが頭に浮かび、無理やり体を動かした。体が軋むような感じがするが、幸い骨折はしていない。動くのに支障はないようだ。
 真里亜の姿を探すと、少し離れたところでうつ伏せに倒れていた。
「真里亜!!」
 私はすぐに駆け寄り、真里亜を抱き上げる。
「真里亜、しっかりして!ママの声が聞こえる!?」
 私は一瞬、最悪の想像をしたが、それは杞憂に終わる。
「……う~ん」
 真里亜は顔を少し歪ませながら、ゆっくり目を開けた。
「う~、ママ痛い」
 どうやら気絶していただけのようだ。枝がクッションの代わりになったらしく、どこにも怪我はみられない。私は胸をなで降ろした。
 真里亜の無事を確認して気が緩んでいたのだろう。私は後ろの気配に気が付かなかった。
「ママ、後ろ!!」
 真里亜の声を聞き、私は後ろを振り返る。そこには右手に刃を構えた山羊頭が立っていた。
「―――――ッ!!」
 山羊頭は右手の刃を、私たち目掛け振り下ろした。
 私は真里亜を抱えたまま、前へ倒れ込む。一瞬遅れ、私がいた場所を刃が素通りしていった。刃の先が触れたのか、私の長い髪がわずかに宙を舞う。
 あと刹那、遅れていたら私はおろか、真里亜も凶刃によって両断されていた。私の背筋
に冷たいものが流れる。
 しかし次の瞬間、私は真里亜の手を引いて駆け出した。
 止まってはいけない。迷ってはいけない。躊躇してはいけない。
 一瞬の狼狽が死に繋がる。この島で生き残るには、立ち止まってはいけないのだ。
 左手は真里亜の手をしっかり握っている。しかし右手は空だった。木から放り出された時、銃を落としてしまったのだ。
 唯一の武器を無くし焦ったが、幸い銃はすぐ近くに落ちていた。
 真里亜の手を引き、銃へと駆け出した。すぐ後ろには山羊頭が迫っている。わずかの距離が恐ろしく遠く感じた。
 私の手が銃に届くのと同時に、山羊頭が追いついてきた。
 山羊頭は無機質な目で真里亜を捉えると、刃を構える。そして、無感情にその刃を真里亜に振り下ろした。しかし―――――。
 私の右手から突き出される銃が火を噴く。山羊頭の正面に構えられた銃は、完全に敵を捉えていた。しかし、敵は恐ろしいまでの瞬発力で私が引き金を引く直前に横に跳び、銃弾を回避した。山羊頭の体に風穴を開けることはできなかったが、さすがの化け物も真里亜から引かざるを得なかった。
 真里亜を引き寄せ、私は続けざまに銃を撃つ。銃が火を噴くたびに、山羊頭は人間離れしたスピードで銃弾をかわしていく。あれだけの至近距離でもかわされるのだ。こちらの攻撃はまず当たらないだろう。
 しかし、それは向こうも同じ。山羊頭は銃を警戒し、徐々に後退していく。これで距離は稼いだ。いくらあの化け物でも、一足飛びでこちらを攻撃することはできまい。
 私は銃の残弾が空になると同時に、真里亜の手を引き再び駆け出した。







 夜の森に、パラパラと小さな音が木霊する。小雨が降りだしたのだ。10月の冷たい雨は徐々に、だが確実に私たちから体力を奪っていく。
 どれぐらい時間が経ったのだろうか。あれからかなりの距離を走った。
 走りながら、ときおり後ろを振り返る。初めのうちは山羊頭の姿が遠くにあったが、今はどこにも見えない。
 もう十分だろう、流石に足が痛くなってきた。何より、このままでは真里亜がもたない。
「ハアッ…、ハアッ…、ママ、ちょっと待って…」
 大人の私でも根を上げるくらいだ。幼い真里亜にとっては辛いものだろう。今まで私の足を引っ張らないよう、懸命について来たがそれも限界だ。
「お願い真里亜、もう少し頑張って。今、休める所を探すから」
 雨は容赦なく、私たちの体力を奪っていく。このまま濡れ続ければ、逃げることすらままならない。雨が凌げる所を探さなければ。せめて、大きな木でもあれば…。
 その時、視界の先に暗がりが見えた。何かと思って目を凝らすと、それは洞窟だった。助かった。あの中なら雨が凌げるうえ、横になって休むこともできるだろう。
「真里亜、向こうに洞窟があるわ。あそこで休みましょう」
 私は真里亜を連れて、洞窟の中に入る。それほど大きくはないが、私と真里亜が横になるには十分だった。
「うー、疲れた」
 真里亜は洞窟に入るとすぐ横になった。
「待ちなさい、真里亜。少し体を拭いてからにしなさい」
 小雨とはいえ、濡れたままでは体温を奪われてしまう。少しは体を拭かなければ。といってもタオルも何もない。私は、せめて服の濡れていない部分で、真里亜の体を拭いてあげた。
「ママ、くすぐったい」
「我慢なさい、風邪をひくわよ」
 タオルのように綺麗には拭けないが、いくぶんマシになった。
「さあ、これでいいわ。もう休みなさい」
「うー、ありがと、ママ」
 体を拭いてもらった真里亜はにっこり笑う。
 そして、私は真里亜を寝かしつけた。よほど疲れていたのだろう。真里亜は横になると、すぐに寝息をたて始めた。
 私も少し体を休めよう。距離を離したとはいえ、向こうはその気になればすぐに追いつける。いつ山羊頭が来るか分からないため、眠るわけにはいかないが、少しは体を休めなければ後がもたない。私は洞窟の壁に背中を預け、その場に座った。
 さあ、これからの事を考えなければ。どうやったら、あの化け物を倒せるか。
 これまでの闘いから、正面から闘っても勝ち目が無いことは分かっている。裏をかかなければ勝ち目は無い。どうにかして山羊頭を倒す算段を頭に巡らす。あいつを倒さなければ、私たちに未来はないのだ。
 隣に目を向けると、私の傍らで真里亜は気持ちよさそうに寝ている。その寝顔見ると、自然と笑みがこぼれた。
 私はもう一度人生をやり直す。真里亜と共に。そのためには、どんな手段を使ってでも、この島から生き延びてみせる。
 静かに寝息を立てている真里亜の頭を、私は優しく撫でてあげた。










『うー、ママー!』
 真里亜が私に向かって駆けて来る。その手には3の旗が握られている。いつも駆けっこではビリばかり。そんな娘が初めて取った3位の証。生まれて初めて貰えた勲章に、真里亜は溢れんばかりの笑顔だった。
 でも、私はそんな娘の笑顔をまるで見ていなかった。
 周囲の父兄は、くすくすと笑っている。恐らく、そこに嘲笑の意味はないだろう。とびきり上機嫌で私に抱きつく娘を見て、微笑ましい光景だと笑みを浮かべている。
 でも、私にはそれがいつまでたっても直らない、真里亜の口癖を笑っているかのように感じてしまう。
 表面上、私は真里亜の頭を撫で、精一杯娘の健闘褒め称えた。
 でも、本当は違う。私は周りから、どう見られているのか、そのことしか頭になかった。



『うー、真里亜分かる!ハイ!』
 真里亜は勢いよく手を挙げる。私の前で良いところを見せたいのだろう。男の子顔負けで、積極的に手を挙げる。
 でも、やはり私は真里亜のことを見てはいなかった。
 少々元気が良すぎる真里亜に先生は、ちょっと待ってね、と言い他の子にも平等に答えさせている。それが気に入らない真里亜は、その度に頬を膨らましている。
 そんな真里亜の様子を見て、父兄はくすくすと笑う。周囲の何気ない仕草に、私は堪らなく恥ずかしくなってしまう。
 授業参観で、学校での真里亜の様子を見に来たはずだった…。それなのに、私は娘のことを何一つ見てはいなかった。



 真里亜のことを一番にしているように見せて、いつも後回しにしてきた。
 
『その変な口癖をやめなさいって言ってるでしょ!!だからクラスの子たちにも馬鹿にされるんでしょうが!!いい加減にしなさいッ!!』

―――――運動会に行った―――――

『そのッ、うーうーをッ、どうしてやめられないの!!あんたがそんなだから友達ができないのよ!!あんたがそんなだからパパの出張が終わらないのよ!!あんたがそんなだから私が…!!』

―――――授業参観に行った―――――

『あんたがそんなだからッ、あんたがそんなだからッ!!気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い!!!』

―――――でも私は世間体のことばかりで真里亜が瞳にいなかった―――――

 気が付けばいつも真里亜の頬を叩いていた。
 自分の気に入らないことがあるとすぐに手を上げた。
 無力な真里亜はいつも頭を抱えて耐えていた。
 早く帰ってきてと、悪い魔女に負けないでと、私が優しい母に戻るまで体を小さくして耐えるしかなかったのだ。
 それでも私は手を止めない。感情に任せ、真里亜の頬を叩き続ける。

 いつからこんな風になったのだろう。

 どうして私はこんな母になってしまったのだろう。

 この子は私の未来のはずなのに…。

 この子は私の全てのはずなのに…。

 私は一体何がしたかったの…?

 私はどんな顔で真里亜を叩いているの…?

 私は本当に…、この子を愛していたの…?

 私は…。

 私は………。

 私は―――――。



『真里亜は、世界でたったひとり、ママがいてくれればいい。そして、ママにとって、たったひとりの真里亜になりたいの』







 ゆっくりと目を開ける。気がつくと私は横になっていた。いつの間にか眠ってしまったらしい。洞窟の外に目をやると、いつの間にか雨は止んでいた。
 体を起こそうとして、初めて気が付く。目じりの横が濡れていた…。
 先ほどの夢のことが頭に浮かんだ。
 気にいらないことがあると、いつも手を上げていた愚かな自分。本当に大切なものが目の前にあるのに、それに気づかず自ら傷つけていた。
 多くのものを失い、こんな最後になってようやく気が付けた。けれど、まだ終わりじゃない。この子が、真里亜さえいてくれれば。
「う~ん…」
 真里亜が軽く身じろぎする。そんな真里亜を、私は優しく抱きしめた。
「大丈夫よ、真里亜…。あなたはママが護るから」
「んっ、ママ…」
 真里亜は目を閉じたまま、小さく呟いた。
 大丈夫。大丈夫よ、真里亜。

 ふと、気配を感じた。どこからか視線を感じる。私は顔を上げ、洞窟の外に目をやった。
 洞窟の先、夜の暗闇に一つの人影が見えた。黒のスーツを身にまとい、人外の頭を持つそいつは、何をするでもなくただそこに立ったまま、こちらをずっと見ていた。
 私はそいつと目を合わす。相変わらず、その目からは何も読み取れない。獣同然のその目には、人間の感情など何も写っていなかった。
 私は真里亜から体を離し、銃を手に取る。異変に気がついた真里亜は目を覚ました。
「真里亜、あなたはここにいなさい」
 洞窟の外へと私は出る。
 先ほど降っていた雨はすでに止み、今は雲間から月が覗いていた。
 月下の下、人間と人外の獣は相対する。私は銃を、山羊頭は刃を構えた。
 私たちは互いに睨み合い、相手の様子を伺う。
 張り詰めた空気が流れる。雨によって冷やされた空気が、まるで熱をもったかのように大きく歪んだ。
 次の瞬間、遠くで雷鳴が轟き、空が大きく光った。
 それが合図。私たちは同時に動いた。
 私は山羊頭目掛けて銃を撃つ。敵は難なくそれをかわし、真っ直ぐ私に突っ込んできた。私は銃を撃ち、それを牽制する。
 しかし山羊頭は横に飛び、再び弾をかわした。そして、恐ろしいまでの速度で私に迫ってくる。狙っているのは私の首。一瞬で私との間合いを詰めてきた山羊頭は、首目掛けて刃を振り下ろした。
 刃をかわそうと後ろに倒れながら、私は山羊頭の胸目掛けて銃を放つ。山羊頭は銃弾をかわすため体を捻る。僅かに軌道がそれた刃は、私の頭上スレスレを通り過ぎていった。
 弾をかわすため、無理に体を捻った山羊頭は体勢を崩した。その隙を私は見逃さない。後ろ向きに地面に倒れながらも、仰向けのまま山羊頭に銃弾を打ち込む。
 だが、敵も一筋縄ではいかない。体勢を崩しながらも、私が銃を撃つより先に跳躍し、弾をかわす。しかし無理な姿勢で跳んだため、山羊頭はうまく着地できず地面を転がった。
 諦めてなるものか。私はすぐさま起き上がり、追い討ちをかける。
 自分に銃口が向けられていることに気付いた山羊頭は足に力を入れる。しかし、その瞬間足が滑る。雨で地面がぬかるんでいたのだ。不意の出来事に、山羊頭は今度こそ完全に体勢を崩した。
 僥倖!この化け物を倒す千載一遇のチャンス。
 私は一気に間合いを詰め、山羊頭が体勢を立て直すより先に引き金を引いた。



 カチ。



 小さな金属音が響く。いやな汗が全身から拭き出した。私は二・三度引き金を引く。だが結果は同じ。やはり何の手ごたえもない。
 弾切れ…。
 私はポケットに手を入れる。しかし、そこには何も入ってはいなかった。最後に訪れたチャンスを私は失ってしまった。
 私の様子から弾切れを悟った山羊頭は、あせる必要もなくゆっくりと起き上がる。
 ぎり。
 私は歯軋りをし、もはや何の役にも立たない銃を投げ捨てた。
 山羊頭が一歩近づいた。だが、何の武器もない私は何もできず、ただ真里亜の壁になるしかなかった。
「ママ!!」
 真里亜が私に声を掛ける。真里亜も分かっているのだろう。もはや私に勝ち目がないことを。唯一の武器がなくなった今、生身の人間が敵うはずがない。だが、それでも護るべき者がいる。
「真里亜、あなたは先に海へ行ってて。ママはちょっと用があるから後で行くわ」
「やだ!やだやだやだ!!ずっと一緒って約束した!ママとずっと一緒にって!!」
 真里亜はこの場から動こうとしない。だが、ここにいては死しかないのだ。
「ええ約束よ。だから、ちゃんと後で行くから。ママは約束を破ったりしないわ」
「うー、でも…」
 それでも真里亜は動かない。
「真里亜、お願い」
 私は娘に優しく微笑む。
 真里亜は私の顔を見る。そして、少し悲しそうな顔をしたが、やがて意を決し走り出した。
 走っていく真里亜の姿が少しずつ小さくなっていった。私は真里亜の安否を願い、その小さな姿を見送った。
 山羊頭は小さくなっていく真里亜の姿を目で追っている。
「お前の相手は私よ。こっちを向きなさい」
 山羊頭がこちらを向く。それでいい。敵の注意を真里亜から引き離す。
「私の首が欲しい?そう、なら相手してあげるわ。かかって来いよおォォオオオオオオオ!!!」
 山羊頭がゆっくり近づいて来る。私はその場から駆け出した。後ろを振り返るとしっかり私の後をついて来る。そうだ、付いて来い!お前の相手はこの私だ!!
 退路はない。武器もない。だが、まだ終わりではない。
 勝算は低い。だが、ゼロではない。真里亜と再び生きて会うため、私は諦めるわけにはいかないのだ。







 夜の森の中、一つの人影が歩いていた。山羊頭である。彼は今、一人で歩いていた。
 最初のうちは見えていた楼座の姿はとっくに見えなくなり、今は何処にいるのかすら分からない。だが山羊頭は焦ってはいなかった。このちいさな島に逃げ場などないのだ。
 もとより楼座は真里亜を逃がすため、自ら囮になったのだ。最初から逃げるつもりなら、一緒に逃げていただろう。それを理解していた山羊頭は焦る様子もなく、ゆっくりと楼座を探していた。
  
 歩き始めてずいぶん時間が経った。楼座の姿はまだ見えてこない。それでも山羊頭は先ほどと変わらず、同じペースで歩いている。何の感情も読み取れないその顔からは、相変わらず何を考えているのか分からなかった。
 その時、暗闇に何か見えてきた。それは小屋…。
 わりと大きく、単なる作業小屋ではなさそうだ。一見すると、寝泊りできるぐらいの広さはある。だが小屋の周りは草が生い茂り、外観はボロボロだった。人が使った形跡はなく、長い間使われてはいないようだ。この島が開発された当初に立てられたものだろう。
 武器がなくなった今、楼座にできることは策を弄し、待ち伏せるしかない。これが罠であることは明白だった。
 しかし、山羊頭は一瞬立ち止まり小屋を一度眺めると、再び歩みを始める。余程腕に自身があるのか、それとも何も考えていないだけなのか、山羊頭は躊躇することなく小屋へと入っていく。
 ゆっくりと扉を開け、中へと踏み入れる。小屋の中は薄暗く、埃っぽい。あちらこちらに物が置かれ、歩くことすらままならない。山羊頭は足元の小物を踏み越えながら、小屋の中を進んでいく。
 乱雑に物が置かれており、それが死角となっている。加えてこの暗さ、隠れるにはうってつけだ。恐らくこの中の何処かに楼座が潜んでいるのだろう。不用意に近づいた敵の息根を止めるため…。
 しかし山羊頭は飽くまで冷静に周囲の状況を判断する。それは機械と同じ。与えられた命令を忠実にこなすだけの家具にとっては、感情など無用の長物だった。
 小屋の中を探りながら進むと、視線の先にロッカーが見えた。そして、ロッカーの隙間からはスカートの裾がはみ出ていた。それを見た山羊頭は冷静に状況を分析する。
 これは罠。恐らくスカートの裾はフェイク。ロッカーの中に隠れていると思わせ、別の場所から奇襲をかける。ならば罠に掛かった素振りを見せ、敵を誘い出したところを迎え撃つ。
 山羊頭はロッカーに近づき、その扉に手を掛けた。そして、いつ敵が現れてもいいよう周囲を警戒し扉を開く。
「―――――!」
 次の瞬間、ロッカーから矢が飛んできた。扉を開けたら発射するよう、中にボウガンが仕掛かけられていたのだ。
 空っぽのロッカーと思わせ、中にトラップを仕掛けていたとは。
 山羊頭は矢が顔面に刺さる直前、人間には不可能な速度で矢を避けた。紙一重の差で矢が顔の横を飛んでいく。
 間一髪矢をかわし、安堵するのも束の間。突然上から何かが落ちてきた。横でも後ろでもなく、天井の梁に潜んでいたのだ。
 人間に限らず、地上の生き物は前後左右への認識は鋭いが、上下への認識は鈍い。その隙を突かれた。
 こちらの裏をかきトラップを設置。さらに、警戒の薄い上から攻撃してくるとは…。だがそれもここまで。
 いくら上への警戒が薄かったとはいえ、所詮は自由落下の速度。銃弾や至近距離での矢に比べれば、その速度は高が知れている。
 山羊頭は頭上目掛け、刃を払う。
 しかし―――――。
 刃が切り裂いたのはがらくたの山。楼座の姿は何処にもなかった。
 これもフェイク!?
 こちらの仕掛けも、ロッカーの扉と連動していたのだ。だが、それでは楼座は何処に…。
 ここは小屋の一番奥。他に身を隠していそうな場所はすでに確認した。ならば一体何処へ…?
 それまで感情らしいものを見せなかった山羊頭に、わずかな動揺が見えた。
 どこか見落とした場所があったのか?山羊頭はもう一度冷静になって考えてみる。
 その時、視界の端に何かが写った。
「―――――?」
 山羊頭はわずかに右を向き、窓の外を見た。今度は、はっきりと見えた。
 窓の外。そこにあったのは巨大な鉈。重厚で肉厚の刃が、ガラス越しに山羊頭のすぐ横にあった。

 完全に失念していた。
 『敵が外にいる』という可能性。
 小屋があるからといって、敵が小屋の中にいるとは限らない。しかし疑問にすら思わなかった。
 『小屋がある』だから『敵は小屋の中にいる』という先入観。その心理を突かれた。
 ロッカーに挟まれたスカートも、トラップの矢も、己が小屋の中にいると印象付けるため。
 そして、上から落ちてきたのが楼座ではなかったという事実。隠れる場所もないのに一体何処へ?その一瞬の思考の混乱が判断を鈍らせた。
 さらに窓際の死角からという絶妙なポイントからの奇襲。
 全ては布石。たった一度、この一撃のために用意されていたのだ。

 楼座は渾身の力を込め、鉈を振り下ろす。鉈が窓ガラスを破り、激しく音が響く。鉈は真っ直ぐ山羊頭目掛けて振り下ろされた。
 用意周到に罠をはり、相手の裏をかいて待ち伏せる。山羊頭は思惑通り罠に掛かった。そして、相手の虚を突き、死角から渾身の一撃を入れる。
 それは完璧だった。完全に相手の裏をかき、回避不能の距離からの一撃。かわせるはずもない。
 人間ならば。
 鉈が山羊頭の顔面に叩きつけられる直前、青い刃が間に滑り込んだ。
 回避も防御も不可能な距離。だが山羊頭は第六感とも言える直感力で危険を察知し、楼座の一撃を防いだ。あと一瞬でも遅ければ山羊頭は死んでいただろう。
 だが、これで勝敗は決した。仕込みに仕込んだ最後の一撃を防がれた楼座の表情は歪んでいた。
 山羊頭はそんな楼座の首に手を伸ばし、片手で軽々と持ち上げる。
「あぐッ!!ぐうううぅぅぅッ!!!」
 楼座は苦しそうに、苦悶の声を上げる。
 山羊頭は、そのまま楼座を窓から小屋へと引きずり入れ、壁へと投げつけた。楼座は激しく壁に叩きつけられ、そのまま床へと落ちる。
「うううぅぅ……」
 楼座は苦しそうに声を上げる。ガラスで切ったのか、その頬からは血が流れていた。
 山羊頭はまだ苦しそうに呻いている楼座の横に立ち右手を構える。その手には青の凶刃が鈍く光っている。
 楼座は苦しみながらも、山羊頭を睨みつけた。
 だが、そんな楼座のささやかな抵抗など全く意に介さない山羊頭は、無感情に右手を図上に掲げる。
 青い刃が鈍く光る。それは罪人の首を刎ねる断頭台。
 執行人は人外の魔物。その瞳には何の感情も写ってはいない。所詮人外に、人の感情など理解できるはずもなかった。
 そして刃は振り下ろされる。
 罪人には祈る時間すら与えられない。
 もとよりこの島に、祈る神など居はしないのだ。





 勝敗は決したはずだった。
 相手は全ての策を出しつくし、打つ手なし。
 チェックメイトはこちらがかけた。
 他の駒は全て取り、最後に残るはキングのみ。
 なのに、最後の一手が止められる。
 刃は楼座の首を刎ねるはずだった。しかし、その直前に手が止まる。楼座に刃が達する瞬間、突如赤い光が現れ楼座を護った。
 山羊頭は一瞬困惑する。
 これは結界…。ただの人間が何故結界を…?
 その時、楼座の腕に何かがあるのに気がついた。
 それはサソリのお守り。サソリのアクセサリーが付いた小さなブレスレットが、楼座の腕にはあった。
 青い刃と赤い光はぶつかり合い、数秒後、両方とも粉々に砕けて宙に消えた。
 こんな物を持っているとは完全に予想外だった。山羊頭は唯一の武器を失った。
 だがそれでも山羊頭は動じない。女一人止めを刺すのに素手で十分だからだ。山羊頭は再び楼座に手を伸ばす。
 だがその手が止まる。
 山羊頭は目を疑った。
 何故…。それがあるのだ…?



 楼座はもう倒れてはいなかった。
 右腕を伸ばし、その目は正面から山羊頭を捉えている。
 そして右手に握り、山羊頭の胸にピタリと付けられているもの…。
 それは紛れもなく、楼座が捨てたはずのウィンチェスターだった。



 何故…!紛れもなく銃は捨てたはず…。その銃が何故ここにある?!?!
 山羊頭は混乱する。たが、小屋の奥にいる者に気が付いた時、全てを理解した。
 山羊頭の視線の先。そこには真里亜が立っていた。
 真里亜は逃げてはいなかった。一度はその場から離れ海へと走ったが、途中で引き返したのだ。
 『最後まで母と一緒にいる』その約束を守るため、真里亜は再び楼座の元へと走った。
 銃のない母がどうやって怪物と闘うのか?それを考え、楼座と同じ考えにたどり着いた真里亜は、この小屋へと先回りしたのだ。
 途中で楼座が捨てた銃を拾い上げ、ポケットに入っていた最後の一発を詰め、それを母に託すために。
 それは楼座にとって完全に誤算だった。初めから楼座は、鉈の一撃で決着をつけるつもりだった。だが不意に訪れた娘との再会。真里亜を逃がすため、敢えて囮となった。結局それは全て無駄となったが、楼座は娘に想いに涙した。
 真里亜から託されたサソリのお守りを腕につけ、銃をスカートの内側に隠した。
 そして、真里亜を大人が入れないような小さな物置に隠れさせ、自分は小屋の外で敵を待つ。
 山羊頭は予想以上の動きで、楼座が用意した最後の一撃さえも防いだ。
 だが最後の最後。真里亜から託された、逆転の一手が実を結んだ。
 山羊頭は武器を失くし、楼座は最強の武器を手に入れたのだ。
 娘の想いが込められた最後の一発。これで打ち倒せない敵はこの世界のどこにもいない。
 山羊頭は何もできない。チェックメイトをかけたのはこちらなのだ。
 それでも最後の悪あがきか。山羊頭はその手を楼座に向かって伸ばしてきた。
 それは正に刹那の瞬間。山羊頭が聞けるわけがない。楼座が話せるわけがない。だが山羊頭は最後の瞬間、確かにこう聞いた。





「魔女へのスケープゴートはあんたの方がお似合いよ。山羊頭」





 楼座の手の中で、ウィンチェスターM1894が火を噴く。
 ゼロ距離で射出された銃弾は山羊頭の胸に風穴を開ける。そして、そのまま窓の外まで吹き飛ばされた体は、二・三度地面を転がりようやく止まった。
 楼座は窓からその様子を確認し、山羊頭が完全に動かないと分かるとその場に座り込んだ。
「勝った…」
 楼座の体はボロボロで、満身創痍だった。服は汚れ、ガラスによって肌には小さな傷が無数にあり、その顔には疲労の色が濃く現れている。
「ママーーー!!」
 そんなボロボロの状態でも、真里亜が抱きつくと笑みがこぼれた。
「大丈夫、もう大丈夫よ」
 愛する娘を楼座は優しく抱きしめる。しばしの間、二人は普通の親子に戻り互いを抱きしめた。







しばらくして私は立ち上がった。早くここから立ち去らねば。
 ゲームには勝ったが、あの魔女が約束どおり私たちを逃がすかは疑問だ。魔女に気付かれる前にここから離れよう。
「さあ、行くわよ、真里亜」
 私は真里亜の手を取り小屋を出た。
 この小屋から海へはそう遠くないはずだ。海まで行けばきっと何とかなる。ボードでも、筏でも、丸太でも何でもいい。無ければ真里亜を担いで泳ぐだけだ。この島には死しかない。
 私は真里亜の手を引き、海へ歩き始め―――――


























































 馬鹿な。

 馬鹿な!馬鹿な!馬鹿な!こんな馬鹿な!!



 ―――地面に転がる山羊頭。その胸には風穴が開き、真っ赤な血が流れていた―――



 そんな……。

 ありえない…。どうして?何故?



 ―――完全に死んでいる。それはもう動くことのない、死体そのもの―――



 こんな事があるはずがない……。



 ――――だがその死体は、先ほどまでとは決定的に違う点があった―――



 こんな…。こんな……。こんな事が!!!



 ―――それは―――














































































































































「戦人君………」



 その顔は山羊ではなく、紛れもない『右代宮戦人』だった。
 大きく見開かれた、瞳はもはや何も写すことなく、ただ虚ろに宙を見つめている。
 だらしなく開いた口からは、真っ赤な血が零れ堕ちている。
 そして、その血を絶えず送り続けていた真紅の心臓は今や跡形も無くなり、本来それがあった場所からは地面が覗いていた…。



「………どうして?」
 戦人とは互いが犯人だと口論し、客間で別れてからは会っていない。彼が今までどこにいたのかは知らないが、何故ここに…?
 あの魔女に魂を売り渡したか…?それとも、魔法で無理やり…?

「その人間は妾に屈服し、自ら魂を売り渡したぞ」

 突然声を掛けられた楼座は驚き、後ろを振り向いた。いつの間に現れたのか、黄金の魔女は楼座の後ろに立っていた。
「なかなか強情な奴だったがな。まあ妾に掛かれば時間の問題。せっかくだから妾の家具にしてやったのよ。なかなか面白い余興だったであろう。どうだった?血を分けた肉親との殺し合いは?くっくっくっ」
 ……この女、始めから分かってて!
「……外道が!」
「まさか本当に倒すとは思わなかったぞ。そなた予想以上の策士だな。妾の家具に欲しいぐらいだ」
 減らず口を!だが勝ちは勝ちだ。自分が殺したのが戦人だったという事実に動揺はしていたが、今の私は真里亜を護らなければならない。
「御託はいいわ、約束よ。真里亜と私を見逃してくれるんでしょう」
 契約は必ず守る。その言葉が本当ならば、魔女は約束を果たさなければならない。
「うむ、魔女は契約を必ず守る。妾は約束を反故にはせぬ」
 その言葉を聞き、楼座は一瞬安堵の表情を浮かべる。しかし―――――。
 黄金の魔女はそんな楼座の表情を見て、歪んだ笑みを浮かべた。
「だが残念だな、楼座。そなたが勝ちを決めていない以上、妾は約束を果たすことはできぬ」
「なッ!!」
 魔女の発言に楼座は言葉を失う。
「ふざけないで!どう見ても私の勝ちでしょうが!!あんたの家具は死んだわ!!生き残った方が勝ちのはずでしょう!!!」
 楼座は激昂し、魔女を問い詰める。後で妙な言い逃れができぬよう、ゲームの勝利条件は予め確認した。にも関わらず、この期に及んで魔女は楼座の勝ちを認めない。
「魔女は契約を必ず守ると言ったでしょう!!契約を破る気!!!」
「破りはせぬ。魔女は契約を必ず守る。その一点において、我らは人間よりはるかに信頼できよう」
「だったら守りなさいよ!!ゲームは私の勝ち!!私は生き残り、死んだのはあんたの家具!!!」
 楼座は一気に捲くし立てた。魔女は契約を破る気はないと言う。ならば、約束どおり楼座と真里亜は見逃してくれるはずだ。だが魔女は続ける。
「うむ、このゲームは生き残った方が勝ちだ。そなたは生き残り、妾の家具は間違いなく死んでいる」
「だったら―――――」
 魔女はその美しい顔を、悪意の塊のような歪んだ笑みに変えこう言った。
「そいつに関してはな」
「何を言って―――――」

 その時、楼座はようやく気付いた。魔女の言わんとしていたことを。
 初めは分からなかった。魔女の言葉に激昂し、周囲の変化に気付かなかった。
 気が付くと、すでに周りを囲まれていた。何人もの人影が夜の森の中に見える。
 黒のスーツに、赤いネクタイ。襟元には片翼を模った金のバッジ。それこそが魔女の家具である証。そして楼座の周りを埋め尽くす彼らの姿は―――――













































































 ―――――戦人。

 右にいるのが戦人
 左にいるのが戦人。
 前にいるのも戦人
 後ろにいるのも戦人。
 近くにいるのも、遠くにいるのも、全て戦人。
 見渡す限り、戦人、戦人、戦人、戦人、戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人戦人



「この男、相当な頑固者でな。滅多な事では妾に屈しないのだが、無限の世界を行き来できる妾にとっては大した問題ではない」

 これが夢なら覚めて欲しい。

「良かったな、楼座。戦人はそなたが殺してしまったが心配は要らぬ。まだまだこんなに残っておるぞ」

 右も、左も、前も、後ろも、全て同じ顔。皆、私のよく知る甥、右代宮戦人だった。

「さあ、楼座。妾は確かに約束したぞ。そやつを倒したら、そなたと真里亜は助けてやっても良いと。だが、どうした?戦人はまだまだ死んではおらぬぞ。右も左も前も後ろも戦人だらけ。さあさあ、どうした?早く続きを始めぬか。まだ勝負はついておらぬぞ。そなたが見事戦人を討ち取れば、約束どおり助けてやる!無論そなたが生きておればなあァァ!!ひゃああぁぁぁッはっはっはっはっはッ!!!!」



 私が愚かだった。ほんの僅かでも、魔女の約束に期待した。
 約束など信用できないと思いつつ、私が勝てば見逃してくれるのではないか。心の隅で、そんな風に考えていた。
 そんなことはありえない。
 あの女は本当に“魔女”なのだ。
 助けるつもりなど毛頭ない。始めから私たちを弄ぶつもりで話を持ちかけたのだ。
 私が勝ったら助けてやる。その言葉に嘘はない。ただし、私に勝ちはない。
 助けるチャンスを与え、散々期待させておき、最後は絶望に突き落とす。
 この戦いは始めから茶番だったのだ。全ては魔女の暇つぶし。
 私の戦いも、真里亜の想いも全部全部、魔女の戯れのためにあったのだ。

 魔女の笑いが木霊する。木々がざわめき、大気が歪む。それは世界全てを飲み込むような悪意を孕んでいた。
 もはや人間としての『右代宮戦人』を失った魔女の家具たちは、徐々に私たちへ包囲を狭めていった。

「ハッ、ハッ、ハッ」

 この島には死しかない。そう思っていた。しかし、それは間違いだった。
 どこにいようと、私には死しかない。場所など関係ない。あの魔女に会った時、すでにそれは決まっていたのだ。

「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ」

 逃れられぬ死が近づいて来る。
 悪意に満ちた魔女の笑いはさらに大きくなり、家具たちはその手に刃を構える。

「ハッハッハッハッハッ」

 全てが絶望に覆われる。
 心が、魂が、私という存在そのものが恐怖に塗りつぶされる。
 家具が。
 魔女が。
 世界そのものが、怖い。
 もう、何も、考えたくない。
 この恐怖から逃れられるなら、このまま消えて―――――







































 ふいに、手を握られた。
「………?」 
 気が付くと、真里亜が私を見上げている。
「真里亜…」
 真里亜は私を見つめている。そして、私の手を握りしめこう言った。
「大丈夫だよ、ママ。真里亜が一緒にいてあげる」
 真里亜は笑う。こんな絶望的な状況で、いつもと同じように。
「…真里亜は、怖くないの…?」
 私は問う。
 どうして、あなたは笑っていられるの?
 絶望しかないこの状況が、どうして怖くないの?
 その顔には、怖れも、不安もない。ただ真っ直ぐと、私の瞳を見つめている。
 そして、真里亜は力強く、私の問いにこう答えた。





「怖くないよ。ママが一緒だもん」





 不意に涙が零れた。

 私は何て馬鹿だったのだろう。

 私は何を怖れていたのだろう。

 全てが絶望に覆われる?

 それが何だというのか。

 世界が恐怖に塗りつぶされる?

 何が恐ろしいものか。

 私が握った手の中には、全ての希望が溢れている。



「ありがとう、真里亜」
 私は真里亜を抱きしめる。
 真里亜も私を抱きしめる。
 光も届かぬこの世界に、真里亜の温もりが暖かかった。
「真里亜、お願いがあるの」
 私は真里亜に囁いた。
「何?ママ」
 真里亜が私に、優しく囁きかける。
「最後まで、ママと一緒にいてくれる?」
「うん、一緒にいる。約束した、ずっと一緒にいるって。真里亜はずっとママと一緒」
 娘の言葉が私の心に響いた。

 真里亜、あなたがいてくれて、本当に良かった。

 真里亜。

 一緒にいてくれてありがとう。

 真里亜。

 こんなママを、好きでいてくれてありがとう。

 真里亜。





 ―――――生まれてきてくれてありがとう―――――





 家具たちが迫ってくる。
 魔女はその悪意を世界に放つ。
 でも、私はもうそれを怖いとは思わない。
「真里亜、一緒に行こう。今度こそ一緒に。もう先に行けなんて言わないわ。ずっとママと一緒よ!」
「うん、一緒!ずっとママと一緒!!」
 右も左も魔女の家具。
 活路は無い。
 退路も無い。
 あるのは空の銃が一丁だけ。
 それでも私は怖くはなかった。
 ここが世界の果てだとしても、私は何も怖くない。





 ―――――私は真里亜に護られている―――――





「うおおおおおおおおおおおおオオオオオオオオォオオオォオオオオッ!!!」




























































うみねこのく頃に






























































































































「悪いな、楼座叔母さん。あんたにゃゲームを降りてもらうぜ。そいつの相手はこの俺だ」





 瞬間、楼座を囲っていた家具たちが一斉に吹き飛ばされた。
 楼座はその時何が起きたか理解できなかった。そして、その楼座の前には人影が現れる。それは慄然と立ち、楼座と真里亜を狙う家具たちの壁となり、立ちはだかる。魔女の家具とは対照的な白のスーツ。その襟元には右代宮を表す片翼の刺繍…。その姿は……。
「ば、戦人くん…」
 楼座は目を疑った。自分と殺し合いをし、今の今まで楼座を手に掛けようとしていた戦人が自分を助けるなんて…。しかし、後ろを振り向いた戦人と目が合った瞬間、楼座は理解した。
 彼は魔女の家具ではない。
 魔女の家具には意思がない。ただ命令を遂行するだけの機械に過ぎず、その瞳は虚ろで何も写ってはいない。
 だが、彼は違う。毅然として目の前に立つその姿には強い意志が感じられ、その瞳には確かに私たちが写っている。
「ば………、戦人ッ?!?!き、……貴様ッ、…魔女の生贄に捧げたはず…、何故ここにいる!?」
「へッ、あのまま黙って食われる俺だと思ってたのかよ。てめえがのこのこパーティーからいなくなった後、俺も抜け出して来たんだよ!!今頃、他のゲストは伸びてるぜ!!」
 楼座と真里亜を護り、魔女と向き合うその姿には、はっきりと闘う意思が込められている。
「うー、戦人!!」
「待たせたな、真里亜。悪りいな遅くなってよ。ちょ~っと道に迷ってな。けど、ヒーローってのは最後に格好良く現れるのがお約束だろ」
 馬鹿な…。こやつ、妾の目を欺くため、屈服していた振りをしていたのか…。小癪な…。……いいだろう。それでこそ屈服しがいがあるというもの。まだ妾に刃向かうというのなら、何度でも屈服させてやる。
「くっくっく、いいだろう戦人。まだ屈服していないというなら、今度こそ魂まで屈服させてやる!他の戦人同様、妾の家具に加えてやろう!!」
「あ~?おいおい、俺以外にどこに戦人がいるってんだ。人のニセモノはべらして悦に浸ってんじゃねえぞ!この似非魔女が!!ああ駄目だぜ!全然駄目だッ!!てめえの相手は楼座叔母さんじゃねえ!!この俺だ!!!この右代宮戦人が相手になってやるぜ!!!ベアトリーチェエエエエエエーーーーーーーッ!!!!」








2009.07.20 Mon l うみねこ l コメント (4) トラックバック (0) l top

コメント

SSの感想です
こんばんは! SSの感想です。
まさに「worldend dominator」。
「終焉の支配者」と表すとアレっぽいですが、感動を一言で表すとこの言葉が出てきました・・・。
SSで泣く以外に鳥肌が立つという経験は初めてかも知れません。
楼座に真理亞、山羊さん・・・みんな凄い、としか・・・(汗
楼座さんに関しては、もうこれこそが楼座さんだ! と公言して回りたいほどです(やめい
最近の自分は楼座さんの悪い面しか目に入れられなかったので、こういった格好いい面もある楼座さんが何か新鮮に思えました。
多面性があるのが人間だよなぁとか一人で頷いたり。
そして相変わらずの描写に脱帽。一騎打ち、罠、心理描写、物語の流れと、ただ見事としか!;
本当に手に汗握るSS、ありがとうございました!

本当に感想だけですが、それでは。失礼します!(礼
2009.07.23 Thu l vars. URL l 編集
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このコメントは管理人のみ閲覧できます
2009.07.26 Sun l . l 編集
お邪魔します^^
こんにちは!

私も湖都さんの所に遊びに来ちゃいました^^
先日のリンクの件、ありがとうございました!><
湖都さんからリンクの申し込みあった時本当に嬉しかったです!
私の私生活が落ち着いたら是非是非相互でお願いしたいものです!^^

うみねこ小説読ませて頂きました!
どんな感じで描かれているんだろう~とちょっと読んだら止まらなくて。^^;
集中して読んじゃいましたよ!><;

楼座と真里亞の感動的な親娘愛に涙を誘われました…T_T
クライマックスとかの演出も見事なもので、羊さんがまさかの戦人君…かと思いきや!みたいな感じで、竜騎士07さんの小説を読んでるかのような不思議な緊張感に見舞われました!e-420

まだまだ先がありそうな予感で今後も読むのが楽しみになりました^^!
次の更新も期待大でお待ちしております><!

それでは、失礼いたしました!!
2009.07.26 Sun l 遊紗. URL l 編集
すみません;;
↑で、羊じゃなくて山羊でしたね;;;

羊っておま…orz
2009.07.26 Sun l 遊紗. URL l 編集

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